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ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)
「アン・アワー・ウィズ・ザ・ラムゼイ・ルイス・トリオ」(AN HOUR WITH
THE RAMSEY LEWIS TRIO)
ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)の「アン・アワー・ウィズ・ザ・ラムゼイ・ルイ
ス・トリオ」(AN HOUR WITH THE RAMSEY LEWIS TRIO)です。
ARGOのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。
レコード番号はLP−645。
パーソネルはお馴染みの、ピアノにラムゼイ・ルイス、ベースにエルディー・ヤング、ドラムスにレッド・ホルトのトリオです。

このレコードは1959年に録音されたもので、有名な「ジ・イン・クラウド」(THE IN CROWD)でブレイクする以前の作品に
なり、却ってよりジャズを感じさせる1枚かと思います。

とは言え、すべてがラムゼイ・ルイス・タッチで演奏されているわけで、そのプレイは大変ゴキゲンに楽しめます。

選曲も冒頭の「SOFTLY AS A MORNING SUNRISE」に始まり、「LOVE FOR SALE」、「IT AIN'T NECESSARY SO」や
「THE WAY YOU LOOK TONIGHT」、「ANGEL EYES」などの有名曲が並び、後年におけるアレンジにおいてやや埋没気
味のプレイからは想像できないほど、押し出しの強いプレイを聴くことができます。

また、この録音年代はステレオ録音が世に現れた頃で、おそらくこのトリオにとっても最初のステレオ録音だったようで
す。ライナーには、そういったステレオ録音への思いがラムゼイ・ルイス本人の筆によって書かれています。

この6年後くらいに「ジ・イン・クラウド」でグラミー賞を獲得するのですが、それまで同じメンバーで頑張ってきたトリオの真
摯さが感じられるアルバムではないでしょうか。

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ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)
「ジ・イン・クラウド」(THE IN CROWD)
ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)の「ジ・イン・クラウド」(THE IN CROWD)で
す。
ARGOのオリジナル盤、ステレオ仕様です。
レコード番号はLP−757。
パーソネルはピアノにラムゼイ・ルイス、ベースとチェロにエルディー・ヤング、ドラムスにレッド・ホルトの、おなじみシカゴ
三人衆です。ジャケット裏面に3人の写真が載っていますが、いやあ若いですね。ジョージ・ベンソンじゃないですが、ラム
ゼイ・ルイスも後年になっても老醜を知らず、若い頃と似たような雰囲気を維持していた稀有な例です。努力のほどが窺え
ますな。

このレコードは、別に殊更の説明も必要ないような有名盤で、1965年に録音され、その年だったか翌年だったかにグラ
ミー賞を受賞しています。このアルバムの直後にリリースされたのが同時に出品している「HANG ON RAMSEY」になりま
す。これもいいレコードです。

しかし、日本語発音でタイトルを聞いたら「寺院・蔵人」じゃないですかね。何だか有りそうなフレーズでしょ? 昔の寺院
に蔵人が居たのかどうかは知りませんが(私は世界史選択者)、居たのかもしれないなと思わせるのが思わせぶりな傑
作タイトルでした。

この頃のラムゼイ・ルイス・トリオは正に全国的ブレイク時だったんでしょうね。聴衆と一体となった熱気がビシバシと伝わ
ってきます。シカゴではなくワシントンでのライブ盤でこれだけの声援ですから、ほかの土地でも推して知るべしでしょう。

収録曲は、A面に「The In Crowd」、「Since I Fell For You」、「Tennessee Waltz」、「You Been Talkin' 'bout Me Baby」
の4曲、B面に「Spartacus」、「Felicidade」、「Come Sunday」の3曲、計7曲です。

聴けばその場でピタリと当たる「ライブ盤なんや、これ」という典型的なアルバムでして、注意力のある方なら、ジャケット
の下の方に「RECORDED LIVE AT THE BOHEMIAN CAVERNS / WASHINGTON, D.C.」 とありますから、聴かずとも実は
分かります。ボヘミアンの巣窟とか訳せる「BOHEMIAN CAVERNS」、要するに何処かの(ってワシントンD.C.ですが)レス
トランかクラブかにおけるライブなんですな、これが。ジャケットの写真がその店だとすれば、いかにも「高級」を絵に描い
たような風情なんですが、これはきっと違うでしょう。店頭にたむろする群集のショットを何処かから拝借しただけのように
思います。車種は分かりませんが、こんな高級車が出入りするような場所に当時のラムゼイ・ルイスが出演したとは思え
ません(失礼!)。

それはさて置いて、1曲目がタイトル曲の「ジ・イン・クラウド」なんですが、文字通り群衆の真っ只中という雰囲気が噴出
してまして、とにかく賑やかな周囲を露骨に感じさせます。で、演奏の方もノリノリで、拍手や手拍子なんぞも聞かれて、
何ともアメリカ的エンタを満喫させてくれます。

エルディー・ヤングも曲の途中でスラム・スチュアートを真似た「ウィーン、ベンベン」一人二役攻撃をかましますし、それに
呼応している聴衆の様子も結構リアルに分かります。終わりそうで終わらないエンディングの聴かせ方も、聴衆を見つつ
ウケを狙っているという軽薄さ(周到さ)が感じられて微笑を誘います。こういう楽しいのはアメリカで流行るエンタですよ
ね。

ところで、アルバム・タイトルは「THE IN CROWD」で、裏面の曲目紹介にある1曲目のクレジットは「THE 'IN' CROWD」な
んですが、気付かれてました? 「’’」が付くと「流行の群集」みたいな意味になるはずで、ちょいと変化してるようですが
残念ながら真相は不明でした。

ラムゼイ・ルイスは、ちっちゃな頃から悪ガキで〜というチェッカーズの歌じゃなくて、ちっちゃな頃からクラシックをまともに
学習していた学究派だとの説がありまして、ホントらしいのですが演奏を聴く限りでは信じられません。きっとクラシックを
勉強したものの肌に合わず、シカゴニアンの血が騒いだんでしょうね。体に染み付いたブルース・フィーリングを抑えきれ
ず「オラは、これでいくだ」と決心したであろうことが窺えます。

それ以来、どっちかというと硬派ジャズ・ファンからは「真っ黒けだけれど、正味下品なノータリン・ピアニスト」とバカにされ
た人なるんですが、そう断じるのはあまりにも偏狭に過ぎるんじゃないでしょうか。

最近、とある本で、かのT島氏とかいうお方がこのアルバムをお取り上げになり「昔は純粋ジャズ・ファンを標榜していた
のでバカにしていたが、最近聴き直したら強靭なブルースに出会えたので、嬉しい再発見…云々」みたいなことを書かれ
ていましたが、単に昔は純粋で狭隘な精神しかお持ちじゃなかったということじゃないですかね。まあ、年中無休で宗旨
替えみたいですから、こういう文章が横行しても今更驚きもしませんが、お里を知れて楽しませてくれます。

閑話休題。2曲目はガラッと変わってバラード(T島氏言うところの強力バラード)です。「俺っち、ノリノリだけじゃないもん
ね」とでも言いたげなムードで進行しまして、凡百のケーハク野郎ではないところを示そうと足掻きます。中間を過ぎた頃
からやっぱり我慢できなくなって、根っからの気質を表してくれるのも可愛げがあっていいですね。おそらくはここでも聴衆
の反応を横目で睨みながら演奏していたはずで、ウケ狙いの芸人根性が天晴れなんで、座布団1枚進呈しましょう。この
曲におけるヤングのベースが中々にエゲツナイ音で迫ります。ゴーン、ゴーンと有名な日産の会長じゃなくて、そう言うが
如き音を奏でています。スピーカーが壊れたわけではありませんので、ご心配なく。

3曲目ではヤングがチェロをギターの如くかき鳴らし、ビェーン、ビェン、ベンとあたかも琵琶法師です。演奏と一緒に歌っ
たり吠えたりし、これも聴衆のウケ狙い路線で、芸人魂炸裂です。でも、楽しくていい気分になるから許しましょう。これが
許せないと聴く気が失せてバカにせざるを得なくなります。ああ、可哀相に…。

4曲目は、正に面目躍如たる真っ黒けサウンドです。ブラックそのまんまなんですが、変に暗さを感じる陰鬱な雰囲気に
はならず、ノリノリに終始します。皆さん聴衆を喜ばす術を心得たエンタさんに違いありません、イェーイ…ということで。

長くなりましたが、もう1曲だけご紹介すると、B面冒頭の「スパルタカス」。これなんぞは、映画の「愛のテーマ」だそう
で、随分落ち着いた出だしで何か違うものを予感させといて、いつの間にかおなじみのファンキー・コテコテ・プレイに転じ
ていき、また最後だけシミジミ路線に戻るという常套手段で、これも笑わせてくれます。生来の根性は中々変えられない
もんじゃと、またしても実感させられます。表題曲もいいんですが、こっちも聴きものですから、決してA面だけで終わらな
いようにされた方が賢明です。曲名のまま「スパルタはカス」とでも言わずにおられません。いや、お粗末。

ということで、純粋ジャズ・ファン(何なんだよ、このフレーズは?)からはケーハクの一語でバカにされる性を背負ったアル
バムですが、実は非常に楽しめる好盤だったのでした。長々と綴った背景には、私が結構好きなことの表れでして、何卒
ご容赦願います。

今風のイケイケ姉ちゃんにジャズを聴かせて手懐ける場合には、このアルバム辺りが向いているかもしれません。間違っ
ても陰鬱情念アルバムを持っていかないように気を付けましょう。

いずれにしても、聴衆の熱気とともに非常に楽しめる演奏で、「HANG ON RAMSEY」と一緒に楽しむのも粋でござんした。
そこが狙い目なんだと勝手に解釈しています。

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ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)
「ハング・オン・ラムゼイ!」(HANG ON RAMSEY!)
ラムゼイ・ルイス(RAMSEY LEWIS)の「ハング・オン・ラムゼイ!」(HANG ON 
RAMSEY!)です。
CADETのリイシュー盤かと、思われます。モノラル仕様です。
レコード番号はLP−761。
パーソネルはピアノにラムゼイ・ルイス、ベースにエルディー・ヤング、ドラムスにレッド・ホルトのトリオです。

このレコードは、有名な「ジ・イン・クラウド」(THE IN CROWD)の直後にリリースされたもので、カリフォルニアの「ライトハ
ウス」におけるライブ盤になります。

ご存知のように「ジ・イン・クラウド」は当時のビルボードチャート2位までになったアルバムで、その年のグラミー賞を獲得
しています。その絶頂期において録音されたこのライブ盤では、聴衆の熱気が如実に感じられ、当時の人気を物語ってい
ます。

演奏曲目は、ビートルズ・ナンバー(A HARD DAY'S NIGHT、AND I LOVE HER)を始めとして、エリントンの「SATIN
DOLL」などスタンダード、ロック・ナンバー(HANG ON SLOOPY)、オリジナルなど、何でもこいのごった煮状態ですが、こ
れこそがラムゼイ・ルイスの面目躍如たるところなのでしょう。ジャズ・ロックとかロック・ジャズとかフュージョンの先駆けと
見ることもできます。

いずれにしても、聴衆の熱気とともに非常に楽しめる演奏で、「ジ・イン・クラウド」の陰になって過小評価されているのが
惜しい1枚でしょう。こいつが中々に面白いアルバムだというのが人口には膾炙していませんから、そこが狙い目なので
した。

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