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マーガレット・ホワイティング(MARGARET WHITING)
「グレイト・ヒッツ」(GREAT HITS)
マーガレット・ホワイティング(MARGARET WHITING)の「グレイト・ヒッツ」
(GREAT HITS)です。
DOTのオリジナル盤、モノラル仕様になります。
レコード番号は、DLP3176。
このレコードは、1959年にDOTからリリースされた彼女のベスト盤になりますが、どうもわざわざこのために録音し直し
たようで、有名曲を散りばめられていることからも彼女を知るには格好の1枚でしょう。

詳細なパーソネルは不明ですが、アレンジと指揮はラス・ガルシアが担当しています。要は、オーケストラや一部のコーラ
スをバックにした演奏になります。

収録曲は、A面に「It Might As Well Be Spring」、「A Tree In The Meadow」、「A Wonderful Guy」、「My Ideal」、「Come
Rain Or Come Shine」、「Baby, It's Cold Outside」、「That Old Black Magic」の7曲、B面に「Moonlight In Vermont」、
「Now Is The Hour」、「Slippin' Around」、「Faraway Places」、「My Foolish Heart」、「Guilty」、「Let's Go To Church」の
7曲、計14曲です。

聴きものは、A面の冒頭と後半3曲、B面の冒頭と真中の3曲でしょうか。A面6曲目は、ビル・リー(Bill Lee)とのデュエ
ットでの歌唱です。かつてのポピュラーっぽい歌唱なんでしょうが、彼女の特質は実によく現れています。

紋切り型に申せば、極めて素直でナチュラルな歌唱でプレッシャーを感じさせるような気負いは全くありません。と言っ
て、単に手を抜いたリラックス唱法ではなく、音程・ディクションとも正確で中々に広い声域を駆使した歌い方です。それに
加えてウォームな雰囲気を携えており、正しく初夏のそよ風的フィーリングで快適です。

冬場に初夏の香りを持ってきてどうするんだとのご批判もあるでしょうが、ウォームな雰囲気には間違いないので、厳冬
にも相応しいアルバムじゃないかとこじつけておきます。

彼女のアルバムはそれほど本邦では紹介されていなかったはずです。随分以前に「FOR THE STARRY-EYED」がアナロ
グ日本盤で出ていましたけれど、その後はあまりお目にかかる機会には恵まれていません。年齢から言っても、1960
年代以前が彼女のピークだったかもしれません。

録音状態は良好で、彼女をして有名になった曲もいろいろあって、楽しめる1枚ではないでしょうか。

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マイケル・ブレッカー(MICHAEL BRECKER)
「ナウ・ユー・シー・イット…ナウ・ユー・ドント」(NOW YOU SEE IT...
NOW YOU DON'T)
マイケル・ブレッカー(MICHAEL BRECKER)の「ナウ・ユー・シー・イット…ナウ・
ユー・ドント」(NOW YOU SEE IT...NOW YOU DON'T)です。
GRPのオリジナル盤になります。
パーソネルは、テナーサックス、EWIにマイケル・ブレッカー、ピアノ・キーボードにジョーイ・カルデラッツォ、ジム・ベアー
ド、ベースにビクター・ベイリー、ドラムスにオマー・ハキム、アダム・ナスバウム、パーカッションにドン・アライアスなどとな
っています。それぞれ中々の実力者を配した布陣です。

このレコードは1990年に録音、リリースされたもので、ブレッカー・ブラザーズとは一線を画して、ちょいとジャズ方向に
振ったものです。

ジャケットに採用されている絵はいわゆる「ダマシ絵」で、エッシャーが好みだという彼の趣味が表れています。さらにサ
ウンドもそんな感じで、フュージョン的な発想も採り入れたジャズ演奏とでも言うべき内容です。

デイブ・リーブマンほどではないにしても、コルトレーンからの影響を幹に準え、枝葉を加えていったような演奏は中々に爽
快です。

テナーサックスとともに、AKAIのEWIを演奏しており、技巧的にも聴きどころが多いようです。ちなみにEWIはT−SQUA
REの伊東たけしが使っていたことで有名です。

シンセサイザー等を使っていますから、純粋アコースティックが好きな方にはやや抵抗があるかもしれません。それでもジ
ャズを意識した演奏には間違いなく、この数年後に名盤と言われる「TALES FROM THE HUDSON」をリリースしていま
す。

ジャケット裏面を見ると、マイケルもこの頃はまだ頭髪が豊かですが、確かに禿げそうな素質を感じさせる写真ではありま
す。

CD全盛時にリリースされたLPはいかがでしょうか?

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マイルス・デイビス(MILES DAVIS)
「オン・ザ・コーナー」(ON THE CORNER)
マイルス・デイビス(MILES DAVIS)の「オン・ザ・コーナー」(ON THE 
CORNER)です。
COLUMBIAのオリジナル盤になります。再発盤のペラペラ・ジャケットではな
く、しっかりした見開きアルバムです。
このレコードは1972年にリリースされたもので、発表当時、賛否両論渦巻いた問題作とされています。私もその当時に
聴きましたが、マイルスが何をやろうとしているのか全く分からずに、これは失敗作だろうと感じた覚えがあります。マイル
スと少し距離を置く原因にもなりました。

ところが、数年後にいわゆる「エレクトリック・マイルス」一連の作品を聴き返してみると、そうでもないなという気になりまし
た。最初聴いたときは、チャカポコいうリズムの大層さに後ずさりしたものですが、漸くこのアプローチが変な違和感なくな
ってきたのです。マイルスにとって「曲がり角」のアルバムだったはずと今にして思います。

ジャズという立地への確かな意識を持ちつつ、まだ見ぬ新たな表現領域に踏み出そうとしているマイルスの意欲を感じさ
せる、やっぱり問題作には違いありません。

この数年後、マイルスは長期に渡って音楽シーンから遠ざかります。もしその引退期間がなかったら、マイルスの音楽は
少し違ったものになっていたかもしれません。時代はフュージョンへと突入する頃でした。

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マイルス・デイビス(MILES DAVIS)
「スケッチズ・オブ・スペイン」(SKETCHES OF SPAIN)
マイルス・デイビス(MILES DAVIS)の「スケッチズ・オブ・スペイン」
(SKETCHES OF SPAIN)です。
COLUMBIAのリイシュー盤と思われます。
レコード番号はPC8271。
このレコードはオリジナルが1960年にリリースされたもので、あの超名盤とされる「Kind Of Blue」の次に来るもので、マ
イルスとギル・エバンスのコラボレーションとして最も有名な作品です。

パーソネルは書き並べると膨大になりますので、トランペットとフリューゲルホーンにマイルス・デイビス、ほか大勢というこ
とにしておきます。パーカッションにエルヴィン・ジョーンズが参加していることだけ付け加えておきます。

両者のコラボとして有名なのは「Miles Ahead」、「Porgy & Bess」、そしてこの「Sketches Of Spain」の3枚とされており、
とりわけ世評の高いのが本アルバムA面の「アランフェス協奏曲」であり、これをもってコラボの最高傑作とする御仁が多
いのは皆さんご存知の通りです。

ところが一方で、クラシックの曲をジャズメンが採り上げる際に、この「アランフェス協奏曲」は完全で最高な安全パイたる
題材だそうで、この曲が入っていれば大体はヒットするという「おまじない」のような効果があるそうです。

本アルバムでも「アランフェス協奏曲」をして最高傑作と評価する風潮に殊更異論を呈するつもりはありませんが、元々ロ
ドリーゴが作曲したこの曲自体が永遠不滅の輝きを有している代物であることも、また事実のように思います。それらの
相乗効果で「マイルスのアランフェスこそ最高」という評価を得たように感ずるのは、ちょっと捻くれた感性でしょうか…。

随分昔にFM放送で「アスペクト・イン・ジャズ」という番組がありました。今は亡き油井正一氏がDJを担当しておられたこ
の番組では、各ジャズメンの半生を追うみたいな企画があって、当然ながらマイルスもここで特集されました。

マイルスを紹介するにはかなりの時間が必要なのですが、件のアルバムも必然的に紹介され、その回をたまたま私は聴
取していました。まだ若かりしジャズ小僧の時代です。

ここで油井さんが「Sketches Of Spain」を紹介するために流された曲は、確かB面の「Saeta」や「Solea」だったと記憶しま
す。時間の関係があったのかもしれませんが、決して「アランフェス協奏曲」ではなかったのです。

あまりにも有名な「アランフェス」ではなく、LPしかなかった時代にB面の曲を紹介する辺りに、油井さん独特のレトリック
を感じ、さらに今更にして極めて真っ当な正しい選択を為されたのではないかと、その慧眼に敬服する次第です。

確かにA面1曲目の「アランフェス」で只者でないところは認知されます。そして当時のリスナーはおそらくA面だけ聴いて
満腹になっていたのだと思います。しかしB面の最後まで聴いていくと、マイルスとギルによるコラボの肝は、蓋しB面で
あろうことが理解されるはずです。特に最後の2曲「Saeta」と「Solea」が秀逸で、このどちらの作曲もギル・エバンスによ
るものです。ここまで聴いて最初の「アランフェス」をもう一度聴いてみると、実はやや散漫な印象を持ってしまいます。

決して「アランフェス」が劣悪なわけではありませんので誤解のなきよう願いますが、やはり自ら作曲した作品にこそ果実
が実る、また実らせるべきだと私は思いますし、事実ギル・エバンスもそれを望んでいたのではないでしょうか。最後の高
揚感を体験していただきたいと思います。

ところで、このアルバムを紹介する日本語表記には「スケッチ・オブ・スペイン」が大半を占めています。これはどう見ても
「スケッチズ・オブ・スペイン」だと思いますので、私は敢えてこう表記しています。

リイシュー盤ですから廉価にてスタートしますが、ペラペラの盤質ではありませんから、案外にお買い得かもしれません。
オリジナルに拘らない方には是非お薦めします。

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マイルス・デイビス(MILES DAVIS)
「マイルス・アヘッド」(MILES AHEAD)
マイルス・デイビス(MILES DAVIS)の「マイルス・アヘッド」(MILES AHEAD)で
す。
COLUMBIA原盤の、デジタル・リマスター盤です。
このレコードはオリジナルが1957年に録音されたもので、マイルス・デイビス以下19名のプレイヤーによる演奏です。

アレンジとオーケストレーションはギル・エバンスが担当しており、この後の「ポーギーとベス」や「スケッチズ・オブ・スペイ
ン」に繋がる作品です。

主なパーソネルは、フリューゲル・ホーン(!)にマイルス・デイビス、ベースにポール・チェンバース、ドラムスにアート・テ
イラー、アルトサックスにリー・コニッツ、その他ブラス・ホーンセクションに10数名という陣容です。

ソロを取っているのは正にマイルスのみで、他はギル・エバンスによるディレクションの下、伴奏に徹しているような内容
ですが、ところどころマイルスの下手さが散見されるところもあり、中々楽しめる演奏です。

A面に5曲、B面に5曲の計10曲が収録されていますが、「ホー!」っと思って聴いている内に、ほとんど一気呵成に聴き
終えてしまいます。曲間が短いと言うか、続けて演奏されているような編集が施されているのも、その一因でしょう。

どの曲がどうこうという評価をするよりも、全編を貫くマイルスとギルのコラボレーションによる果実を楽しむべきで、世間で
は「スケッチズ・オブ・スペイン」の陰に隠れて、ちょっと過小評価になっているアルバムかもしれません。

思いの外きらめきを感じさせるプレイで、私は案外これも好きな部類です。リマスタリングの音質も変なエンファシスや違
和感もなく、ちょいとハイファイに寄った音でしょう。この方がブラスの輝きは聞き易いとも言えます。

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マイルス・デイビス(MILES DAVIS)
「マイルストーンズ」(MILESTONES)
マイルス・デイビス(MILES DAVIS)の「マイルストーンズ」(MILESTONES)で
す。
COLUMBIA原盤の、デジタル・リマスター盤になり、新品・未開封です。
パーソネルは、トランペットにマイルス・デイビス、アルトサックスにキャノンボール・アダレイ、テナーサックスにジョン・コル
トレーン、ピアノにレッド・ガーランド、ベースにポール・チェンバース、ドラムスにフィリー・ジョー・ジョーンズという陣容で、
オリジナル・クインテットにキャノンボールを加えたセクステットになります。

このレコードは、「死刑台のエレベーター」サントラのためにフランスへ渡っていたマイルスが帰米直後にキャノンボールを
呼び寄せ、従来のクインテットをセクステットにしたコンボでの初録音になり、レッド・ガーランドにとってはマイルス・グルー
プでの最後の録音になります。この後、マイルス・コンボのピアニストはビル・エバンスに替わります。

オリジナルは1958年に録音されたもので、モード奏法の話しになると必ずや登場するこのレコードは、時期的にも内容
的にもプレスティッジ四部作から有名な「カインド・オブ・ブルー」への橋渡し的な役割を果たしており、アルバム・タイトル
曲の「MILESTONES」は、モード・ジャズの実例として非常によくできた演奏の一つだと思います。

収録曲のうち1曲はピアノ・トリオによる演奏で、ガーランドは中々に快適なプレイを披露しており、彼独特のブロック・コー
ドを楽しめます。

「MILESTONES」とは勿論「マイルスの音」と「一里塚」を掛けたネーミングですが、初めてこれを聴いたとき、クルマに乗っ
ているようなフィーリングにおそわれたものです。テーマにはそんなイメージがあるように私には思えます。

リマスタリングの音質も変なエンファシスや違和感もなく、ちょいとハイファイに寄った音で、キャノンボールの音はこの方
がスムーズに聴こえるかもしれません

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ミシェル・ルグラン(MICHEL LEGRAND)
「ルグラン・ジャズ」(LEGRAND JAZZ)
ミシェル・ルグラン(MICHEL LEGRAND)の「ルグラン・ジャズ」(LEGRAND 
JAZZ)です。
COLUMBIAのオリジナル盤、モノラル仕様になります。
レコード番号は、CL1250。
このレコードは、新婚旅行でニューヨークを訪れていたミシェル・ルグランが旅行の合間に録音したものらしいのですが、
ついでの合間に収録したにも関わらず大変音楽性の高い逸品として有名です。蓋し天才なんでしょうね、ルグランは。

パーソネルは3グループに分かれ、それぞれに有名ジャズメンが並んでいます。全てミシェル・ルグランがアレンジと指揮
を担当しています。@:フルートにハービー・マン、ハープにベティ・グラマン、ギターにバリー・ガルブレイス、トランペットに
マイルス・デイヴィス、テナー・サックスにジョン・コルトレーン、アルト・サックスにフィル・ウッズ、バリトン・サックスとバス・
クラリネットにジェローム・リチャードソン、ヴァイブにエディ・コスタ、ピアノにビル・エヴァンス、ベースにポール・チェンバー
ス、ドラムスにケニー・デニス A:テナー・サックスにベン・ウェブスター、フルートにハービー・マン、トロンボーンにジミー・
クリーブランドほか、ピアノにハンク・ジョーンズ、ベースにメジャー・ホリーとジョージ・デュヴィヴィエ、ドラムスにドン・ラモ
ンド B:トランペットにアーニー・ロイヤル、アート・ファーマー、ドナルド・バード、ジョー・ワイルダー、トロンボーンにジミ
ー・クリーブランド、フランク・リハク、アルト・サックスにジーン・クイル、フィル・ウッズ、テナー・サックスにセルダン・パウエ
ル、バリトン・サックスにテオ・マセロ、フレンチ・ホルンにジェームズ・バフィントン、ヴァイブにドン・エリオット、ピアノにナッ
ト・ピアース、ベースにミルト・ヒントン、ドラムスにオシー・ジョンソン といったメンバーで、長くなりましたがよくもこれだけ
のメンバーを短期間に揃えたものだと驚嘆の一語です。

収録曲も、「The Jitterbug Waltz」、「Night In Tunisia」、「Blue And Sentimental」、「Stompin' At The Savoy」、
「Django」、「Wildman Blues」、「'Round Midnight」、「In A Mist」などが並び、古きジャズにも敬意を表したような選曲で
す。聴きものは、やっぱりマイルスやコルトレーンが入っているメンバー@による演奏と、ベン・ウェブスターのボキボキ・サ
ウンドの聴けるものでしょうか。私としては、A面1曲目の「The Jitterbug Waltz」と6曲目の「Django」が秀逸かと思いま
す。

後年にこのアルバムは「LEGRAND JAZZ ALFA PLUS」とかいう名目で再発されまして、1962年の録音と併せて編集さ
れましたが、1958年のオリジナルは正にこのアルバムです。再発はやっぱり有り難味に欠け、ペラペラの盤も所有欲を
そそることはありませんね。

再発ジャケットには指揮をしているルグランとタバコを携えたマイルスが写っていましたが、このアルバムではルグランの
み写っています。何せ新婚旅行ですから如何にも嬉しそうなルグランで、スウェードのジャンパーとマフラーが粋ですね。
寝癖のついた髪の毛が何かを物語っているようで微笑ましい感じです。

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