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ボビー・ハンフリー(BOBBI HUMPHREY)
「サテン・ドール」(SATIN DOLL)
ボビー・ハンフリー(BOBBI HUMPHREY)の「サテン・ドール」(SATIN DOLL)で
す。
ユナイテッド・アーチスト傘下のBLUENOTEオリジナル盤になります。
このレコードは1974年に録音された、ボビー・ハンフリーのBLUENOTEにおける5作目の作品になります。主なパーソ
ネルは、フルートとボーカルにボビー・ハンフリー、キーボードにラリー・ミゼル、ベースにチャック・レイニー、ドラムスにハー
ベイ・メイソンなどとなっています。

ボビー・ハンフリーは1970年当時にBLUENOTEが強力に売り出しを図った黒人女性フルート奏者で、1973年にはモ
ントルー・ジャズ・フェスティバルにも出演し、将来を嘱望されたプレイヤーでした。

中々にハードなフルートを聴かせる彼女でしたが、このレコードからフュージョンへの仲間入りを目指したような出来栄え
になっています。ある意味、ファンキーなところがこの人の持ち味だったのかもしれません。

演奏曲目には、アルバムタイトルになった「サテン・ドール」やスティービー・ワンダーの「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オ
ブ・マイ・ライフ」などがあり、アレンジの妙を感じさせる作品になりました。アレンジはキーボードのラリー・ミゼルが担当し
ています。

この後、1976年にボビー・ハンフリーはBLUENOTEからCBSに移籍したようですが、その後の消息については、私は
よく知りません。BLUENOTEでの5枚を以って彼女の経歴と理解するしかなさそうです。

そのBLUENOTE最終作になる本作は、メンバーが結構多岐に渡り、当時としてはリッチなサウンドに仕上がっているよ
うに思います。

ジャケットに写っている赤ちゃんの意味は今一つ不明ですが、収録曲に「マイ・リトル・ガール」なんてのがありますから、
その辺と掛けたのでしょうか。「サテン・ドール」とはちょいと違うような気がします。

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ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)
「テイク・テン」(TAKE TEN)
ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)の「テイク・テン」(TAKE TEN)です。
RCAのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。
レコード番号は、LSP−2569。
パーソネルは、アルト・サックスにポール・デスモンド、ギターにジム・ホール、ベースにジーン・チェリコとジーン・ライト、ド
ラムスにコニー・ケイというピアノレス・クァルテットです。ジーン・ライトはタイトル曲の「Take Ten」にのみ参加しています。

このレコードは1963年にニューヨークのウェブスター・ホールで録音され、リリースされたもので、ステレオ初期の商品で
すからモノラル仕様もありましたが、この商品はステレオ仕様です。ジャケットには「RCA VICTOR DYNAGROOVE
RECORDING」のクレジットがあり、新しい録音方式を誇示しています。各社いろいろな名称を付けて録音方式を謳ってい
た頃になりますね、中々優秀な録音だと思います。何せ「His Master's Voice」ですから悪いわけはありません、ニッパー
犬も納得です。

収録曲は、A面に「Take Ten」、「El Prince」、「Alone Together」、「Embarcadero」の4曲、B面に「Theme From "Black
Orpheus"」、「Nancy」、「Samba de Orfeu」、「The One I Love」の4曲、計8曲です。

デスモンドと言えば、デイヴ・ブルーベックとお神酒徳利でしたから、まず最初に思い出すのが例の名曲「Take Five」で
す。それをモジったのが本アルバムのタイトルであることは誰でも分かりますね。

デスモンド独特のアルト・トーンは正に唯一無二の存在なんですが、熱血ジャズファンからは「根性なし」とか「黒くない」と
かいった誉め言葉をいただく格好の素材でもあります。彼は白人ですから黒くなくて当たり前、根性は確かになさそうな
顔付きですけど、演奏は格好いいと思うのは私だけでしょうか?

このアルバムは、ブルーベック・クァルテットに在籍しつつ、RCAに吹き込んだピアノレス4部作と言われているものの第
1作に当たるもので、その他には「Bossa Antigua」、「Easy Living」、「Glad To Be Unhappy」があります。どれも同じような
パーソネルで吹き込まれていますが、やっぱり最も有名なのは、本アルバムです。

ポール・デスモンドとジム・ホールは割りとよく共演してますが、実に合いますね。流石はポールとホールてなもんで…。
既にジム・ホールはこの頃から頭髪が無いに近く、インテリ風のデスモンドもかなり頭髪の後退した様子が裏ジャケットに
明らかです。「俺たちインテリだもんね、文句あっか?」といった風情が感じられて微笑ましくもあります。単なる禿げコンビ
とも言えなくはないですが…。

さて、アルバム・タイトル曲の「Take Ten」ですが、誰でも分かる曲名からも明らかに「Take Five」の2番せんじに他なりま
せん。刻まれるリズムもほとんど同じ、曲のメロディも大体同じじゃないですか。デスモンドのソロでは、どういうわけか抹
香くさいアジアン・フレーズが出てきて笑かしてくれます。本家「Take Five」に比べて短い演奏ですから、まずは挨拶代わ
りの左ジャブといったところでしょうか。

2曲目の「El Prince」も名前がラテン調のわりにはデスモンドのオリジナルで、得意の(?)ボサノバ・リズムを用いたプレ
イで好きな人には堪りませんね。3曲目はお馴染みの「Alone Together」で、ジム・ホールには後年同名のアルバムが
あったように記憶します。この曲が好きなんでしょうな。4曲目の「Embarcadero」ですが、何と読むのでしょうか、「エンバ
カデーロ」ですかね? 真ん中にバカを挟んだ興味深い曲名です。これもデスモンドの作曲で、どうも彼はこういう言い回し
が好きなんでしょう。作曲者としての資質にも頷かざるを得ない1曲かと思います。

B面にも、黒いオルフェのテーマとかスタンダードの「Nancy」とかが収録されていて、全く飽きさせません。見事な構成で
またもや脱帽です。最後の曲は「The Man I Love」ならぬ「The One I Love」で、一体ナニが好きだったのか教えてほしい
ところです。

全編を通じてコニー・ケイのドラム・ワークも聴きもので、MJQでお馴染みのチャカポコ・リズムが相性バッチリでした。どこ
かでシンバルを落としたらしいのですが、それは聴いてからのお楽しみということで…。 ブラシとスティックを持ち替える、
よくある裏技も用いており好感が持てます。

ボサノヴァに加えて、普通の4ビートも披露してくれて、このアルバムは蓋し名盤なのでした。普段よく聴かない、箪笥の
肥やし的名盤も世には沢山あれど、こういうよく聴くだろう盤こそが私的な隠れた名盤じゃなかったですか?

長々と綴ってしまい、申し訳ありません。実は恥ずかしながら私はポール・デスモンドが好きなのでした。こんなトーンの
サックス奏者は絶対ほかにはいません。オンリー・ワンの名演が好きですねえ。ジム・ホール名義ですが、「Concerto」も
よく聴く座右の盤だったのです。失礼!

イージー・リスニングという範疇では括りきれないジャズを、オリジナル盤でいかがでしょうか? 決して損はしませんよ
…。

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ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)
「デスモンド・カルテット・ライヴ」(THE PAUL DESMOND QUARTET
LIVE)、2枚組
ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)の「デスモンド・カルテット・ライヴ」
(THE PAUL DESMOND QUARTET LIVE)、2枚組です。
HORIZONのオリジナル盤になります。
レコード番号は、SP−850、HORIZON10です。
パーソネルは、アルトサックスにポール・デスモンド、ベースにドン・トンプソン、ギターにエド・ビッカート、ドラムスにジェリ
ー・フラーとなっており、ピアノレス・カルテット編成になります。

このレコードは、1975年の10月、11月にカナダ、トロントの「バーボン・ストリート」でベーシストのドン・トンプソンによっ
て録音されたものとのクレジットが中面にあります。ベーシストなのに録音にも長けていたんでしょうか? 演奏中にどう
やって録音したのか、できれば様子を拝見したかったものです。

収録曲は、1面に「Wendy」、「Wave」、2面に「Things What They Used To Be」、「Nancy」、3面に「Manha De
Carnival」、「Here's That Rainy Day」、4面に「My Funny Valentine」、「Take Five」の計8曲になります。LP片面に2曲
ずつですから、それぞれが結構長めの演奏になっています。

ピアノレスでの演奏で、ピアノの代わりにギターを入れているのが中々ハマッています。ご存知のデスモンド・トーンです
からギターと妙にマッチします。このアルバムでは類似頭髪型友達で仲良しのジム・ホールではなくてエド・ビッカートが
ギターを担当していますが、邪魔にならず、これはこれでいい感じだと思います。

余談ですが、確か1970年代後半にジム・ホールが来日したときに、ベースはこのドン・トンプソンだったように記憶しま
す。ジム・ホールのホライゾン・アルバムにも参加していますから、きっとそうでしょう。

閑話休題。こういったメンバーでしかも「バーボン通り」とかいう、飲ませる店(居酒屋じゃないのか?)での演奏ですか
ら、バリバリ・ゴリゴリに過激な演奏には成り得ません。ほろ酔い加減で聴いていて実に快適をもたらすニンマリ演奏で
す。中年以降のオッサンにとっては癒し系の最たるものですな。誉めてるんですよ。

数曲はこれまたお馴染みのボサノバを入れており、その系統が好きな御仁には堪りませんね。恥ずかしながら私もその
系統が好きなのでした。「Manha De Carnival」は邦題「黒いオルフェ」あるいは「カーニバルの朝」として有名な曲で、通
常のテンポより若干遅めのアレンジが夜の居酒屋にはピッタリですね。

最後に「Take Five」を持ってくるのがファンには泣かせますね。アジアン・フレーズを取り混ぜる例のスタイルによっていま
す。何故にこのスタイルをデスモンドが好んだのかは不明ですが、ちょっと好みが分かれるところかもしれません。途中の
ベースソロも、このアレンジを意識したレロレロ奏法です。悪くはないんですけど、やや軟弱かな…。

熱血バリバリのジャズファンからは好ましく思われない演奏なんでしょうが、こういうジャズも止められません。オマケにワ
ン・アンド・オンリーなデスモンド・トーンを堪能できますから、デスモンド・ファンにはブルーベック・カルテットでの演奏より
聴きどころ満載です。取り敢えず、デスモンドの演奏に耳を傾けるべきアルバムで、コテコテとは正反対の領域を楽しん
でください。単なる軟弱プレイヤーの枠では括りきれない独特の音色はいかがでしょうか。

ジャケットの写真ですが、表面にはデスモンドのアップが写っています。よく見れば胸ポケットが二つあるボタンダウンシャ
ツにウール製と思しきストライプのネクタイ、ドクロマークのように見えるサスペンダー、腕には丸金の腕時計、お馴染みの
黒ぶちメガネ、上等そうなケースに左手を置いて、右手の指には残り少ないタバコが挟んでいます。この直後、アッチッチ
となったかどうかは定かではありません。表情を田舎くさくすれば、関西CMソングの重鎮「キダ・タロー」に見えなくもない
のですが、このショットは中々イカシタおっちゃんじゃないでしょうか。それにひきかえ、裏面の写真はいただけません。表
面と同じく微笑んではいるのですが、変にニヤケてて気持ちが悪い。

既にCDでも再発されたようですが、ジャケットの有難さや音質からはオリジナルに勝るものはありません。CDはデザイ
ンも少し変わっているようですね。また何とCDでの最終曲は「Take Five」ではないのです。未収録曲を加えることの功罪
が如実に現れた好例でしょう。オリジナルの意図はどこへやら…。

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ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)
「ピュア・デスモンド」(PURE DESMOND)
ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)の「ピュア・デスモンド」(PURE 
DESMOND)です。CTIのオリジナル盤のようです。
と言いますのは、若干盤厚が薄いかなという気がしないでもないので、断言は
しないことにします。しかし年代を考えれば、こんなものかと思います。
パーソネルは、アルトサックスにポール・デスモンド、ベースにロン・カーター、ドラムスにコニー・ケイ(!)、ギターにエド・
ビッカートというピアノレス・クァルテットです。

このレコードは1974年に録音された、ワン・ホーンによる演奏で、デスモンドの魅力を余すところなく伝えた好盤です。デ
スモンドは正に唯一無二の音色を持つプレイヤーで、ある書物ではチャーリー・パーカーより偉いという記述がありました
が、ことの是非はさて置き、音色から言えば他に類型を持たないという意味ではそうかもしれません。と言うより、その通
りだと思います。

デイブ・ブルーベックとの共演が長かったデスモンドで、私もジャズに親しみだした当初は単なる軟弱アルティストの烙印
を押して、殆ど無視していたものです。ところが、デスモンドはやはりワン・アンド・オンリーには違いなく、ボサ・ノバ的ア
ルバムを聴いているうちに良さを認識したものです。

ピアノレスというのが、このレコードの場合は肝でして、でしゃばり過ぎないギターとドラムス、また案外に重厚なベースに
囲まれたデスモンドの音色を楽しむには正にもってこいでしょう。

白人で、いかにも軟弱そうな音色を特徴としたデスモンドは、硬派ジャズ・ファンにはお呼びでない輩かもしれませんが、
ハマルととても良い典型かと私には思えます。

ジャズ史的に革新的な足跡を残したプレイヤーではないものの、70年代、フュージョンが幅を利かせだした時代の、類型
フュージョンではない1枚はいかがでしょうか。

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ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)
「フロム・ザ・ホット・アフタヌーン」(FROM THE HOT AFTERNOON)
ポール・デスモンド(PAUL DESMOND)の「フロム・ザ・ホット・アフタヌーン」
(FROM THE HOT AFTERNOON)です。
A&M、CTIのオリジナル盤になります。
主なパーソネルは、アルトサックスにポール・デスモンド、ベースにロン・カーター。ドラムスにアイアート・モレイラなどとな
っています。その他は、CTIお得意のストリングスとホーン・セクションを加えた路線で、アレンジは、これもお馴染みのド
ン・セベスキーによるものです。

このレコードは、1969年に録音されたもので、フュージョンへと突入する前の時代、例えばウェス・モンゴメリーがイージ
ー・リスニング路線とかで大流行した頃と同時期のアルバムになります。プロデューサーのクリード・テイラーはこの当
時、専らこの路線で成功を収めていました。

商業的には成功した路線ですが、アーティスティックには純粋ジャズファンからは好ましく思われていなかったかもしれま
せん。
しかし私などは、繰り返しますが、デスモンドが正にワン・アンド・オンリーな存在ゆえ、全てのレコードを聴きたい衝動に
駆られます。ウェスと同じくデスモンドの音色も、こういった編成で一際その魅力を伝えてくれたのではないでしょうか。

演奏曲目はブラジルの素材を求めたようなナンバーが大半で、一時期のローリンド・アルメイダと似たような傾向でしょう。
一部の曲にはボーカルも入っており、これには賛否両論あるでしょうが、取り敢えず、デスモンドの演奏に耳を傾けるべき
アルバムです。

コテコテとは正反対の領域にあるアルバムですが、デスモンドファンの方には納得いただける内容かと思います。元々過
激な演奏が好きだった私をして、いつの間にか好きになったデスモンドの魅力は比肩すべきものがないように感じていま
す。
単なる軟弱路線では括りきれない独特の音色はいかがでしょうか。

ちなみに、CTI初期の録音事例に漏れず、このレコードもヴァン・ゲルダー・スタジオにて収録されており、「VAN GELD
ER」の刻印入りになりますから、オーディオ的にも面白いレコードかと思います。

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ポール・ブレイ(PAUL BLEY)
「アローン・アゲイン」(ALONE AGAIN)
ポール・ブレイ(PAUL BLEY)の「アローン・アゲイン」(ALONE AGAIN)です。
IMPROVISING ARTISTSのオリジナル盤になります。
このレコードは1975年に、あまりよく知られていないレーベルからリリースされた、ポール・ブレイによるソロ・ピアノです。
実はこのIMPROVISING ARTISTSというレーベルは、ポール・ブレイ自身がキャロル・ゴスとかいうデザイナーと共同
で設立した自主制作レーベルで、一時は日本盤も一部がリリースされていたようですが、今では殆ど忘れ去られているレ
ーベルじゃないかと思います。

そんなわけで、彼のソロ・レコードとしては、1972年に録音されたECMによる「オープン・トゥ・ラブ」が非常に有名で、ソ
ロ第2作である本作が「アローン・アゲイン」というのは、ECM盤を第1作と認知していたからでしょう。

巷では「オープン・トゥ・ラブ」の方が有名なだけ高い評価を得ているようですが、聴いてみれば、「アローン・アゲイン」の
方が内容的には優れているようです。音の繋がりがより自然な感じで、更に艶かしさに磨きをかけたかというところ。

よく彼のピアノは「官能的」だとか「エロティック」だとか形容されますが、聴き手のイメージをそういう方向に向けさせるテ
クニックとしてはキース・ジャレットより上手かもしれませんね。

ジャズのスイング感とは全く別物で、得体の知れないモノに巻き込まれるが如くの演奏かと思います。悪く言えば「変態
ピアノ」の典型ですが、ジャズでないとは言えず、一応立派にジャズしているようです。「変態」は決して悪口ではなく、
「ハマルと非常によい」の別表現とご理解ください。

ところで、彼は私生活でもスワップもどきの結婚生活を送っていましたから、違う意味でもやっぱり「変態」かもしれません
…(失礼)。

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ポール・ブレイ(PAUL BLEY)
「コペンハーゲン&ハーレム」(COPENHAGEN & HAARLEM)、2枚組
ポール・ブレイ(PAUL BLEY)の「コペンハーゲン&ハーレム」(COPENHAGEN 
& HAARLEM)、2枚組です。
ARISTA/FREEDOMによるアメリカでのオリジナル盤ですが、若干の切れ
込みが入ったカット盤になります。
レコード番号はAL1901。
パーソネルは、ピアノにポール・ブレイ、ベースにケント・カーターとマーク・レヴィンソン(!)、ドラムスにバリー・アルトシュ
ルというメンバーです。

この2枚組レコードは、既にヨーロッパでリリースされていた2枚の異なるアルバムをカップリングしたもので、サイド1と2
は1965年にコペンハーゲンで録音された「Touching」、サイド3と4は1966年にオランダのハーレムで録音された
「Blood:Paul Bley In Haarlem」に該当します。またサイド2に収録されている「Closer」はこのアルバムで初出になりま
す。

サイド1と2のベーシストがケント・カーターで、サイド3と4のベーシストがマーク・レヴィンソンです。

ポール・ブレイは結構多作なピアニストですが、名盤の評価は思ったよりも少ないようです。昨今の作品では常套句であ
る「官能的」と言うよりも「退屈」な作品が多いのではないかと私は勝手に思っています。

結局のところ彼の秀作は1960年代から70年代に掛けて集中しているのではないでしょうか。

以前にも触れましたが、変態ピアノたる彼の演奏もサイドメンによって影響はされるようで、例えばスワップ仲間だったゲ
イリー・ピーコックとのプレイではちょいと甘口に偏り、例えて形容すれば「軟体動物」的なアプローチとも言えます。

この点において、マーク・レヴィンソンとのプレイでは硬質な響きを残しており、かなり好ましい結果を得たように私には感
じられます。レヴィンソンのアンプの如き表現と言えばお分かりいただけるでしょうか?     未発表曲も含めて、このカ
ップリングは結構お得だと思います。またヨーロッパ盤の入手が困難な現在では、ブレイの優れた演奏に触れる機会も少
なくなっていますので、稀少な盤かもしれません。

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