のとnoノート - JAZZ(ジャズ)レコード評 -
(株)青写真 ジャズレコード評文集TOP アーティスト名(か行:ク)目次 >アーティスト名(ク)詳細

はじめに
 こちらの商品はすでに販売終了商品の評文集です。
 入荷商品に関しましては、「GOODチョイス!」通販や
 Yahoo! オークションストアをご覧下さい。
GOODチョイス!通販
Yahoo!オークションストア
GOODチョイス!通販
Yahoo!オークション

クリス・コナー(CHRIS CONNOR)
「ディス・イズ・クリス」(THIS IS CHRIS)
クリス・コナー(CHRIS CONNOR)の「ディス・イズ・クリス」(THIS IS CHRIS)で
す。
BETHLEHEMのオリジナル盤、モノラルになります。
レコード番号はBCP−20。
このレコードは、1955年に録音・リリースされたもので、全編コンボ仕立てのバッキングによりジャズ・ボーカルの楽しさ
を伝えてくれる好盤です。

パーソネルは、クリス・コナーのボーカル、ピアノにラルフ・シャロン、ベースにミルト・ヒントン、ドラムスにオシー・ジョンソ
ン、ギターにジョー・ピューマ、フルートにハービー・マン(!)、トロンボーンにJ.J.ジョンソンとカイ・ウィンディングという
興味深いメンバーです。

収録曲は、A面に「Blame It On My Youth」、「It's All Right With Me」、「Someone To Watch Over Me」、「Trouble Is
A Man」、「All This And Heaven Too」の5曲、B面に「The Thrill Is Gone」、「I Concentrate On You」、「All Dressed Up
With A Broken Heart」、「From This Moment On」、「Ridin' High」の5曲、計10曲です。

クリス・コナーといえば、例のケントン3人娘の一人でして、ケントンはハスキーな声がお好きだったようで、ご多分に漏れ
ずクリスもハスキーな声で聴かせてくれます。前任者のジューン・クリスティがケントンに推薦したとかいう話しですが、真
相は定かではありません。1952年にケントン・バンドに入りましたが、1年足らずの1953年には早くも独立しています。
下世話ですが、おそらくはまたしてもケントンの助平根性が為せる業かと勘繰ってしまいますね。その数年後、ケントンは
在団中のアン・リチャーズをものにしますから、大体はそういう根性で歌手を雇っていたのかい、と言いたくもなりますね。
ケントンはエライ先生には間違いないのですが、あのニヤケタ表情にはキモイものがあります。失礼。

閑話休題。ケントンの下を辞してから録音したのが「ベツレヘム3部作」とか呼ばれている「Lullabys Of Birdland」、「This
Is Chris」、「Chris」で、このアルバムは3部作の30cmLPとして2番目にリリースされたようですが、録音年月は最も新
しい部類のものになります。最後の「Chris」は従前に録音したものの残りテイクを集めたものと理解するのが正しいようで
す。要するに、1953年の12月と1954年の8月と1955年の4月の3回に録音したものを30cmLPの時代になって3
枚のアルバムに分けてリリースしたということになりますね。

そういえば、ジャケットなんですが、この3部作のうちでは「This Is Chris」が一番マシな出来かもしれません。いろいろ種
類があるようですが最も有名な「Lullabys Of Birdland」のジャケット写真はホントにいただけません。鼻まで上を向いてア
ングリ大きな口を開けているショットは下品と紙一重と言えなくもありません。何故に採用されたのか、蓋し謎ですね。と
言っても私は2枚も持ってますが…。「Chris」にしても、ややアートは感じるものの大きな口を開けているショットには間違
いなく、あの大きな口に何か秘密でもあるんかい、と言いたくもなります。「This Is Chris」も実は口を開いているのです
が、残りの2枚ほど大っぴらにあけすけではないところに好感が持てますね。

さて、ケントン3人娘で見渡しますと、アネゴ肌で少々トウのたったアニタ・オデイ、キュートなジューン・クリスティ、に比べ
てクリスは確かに「クール」という表現が最も当たっている存在でした。決して艶っぽいわけではなく、かと言ってカマトト風
でもなく、表現が難しいのですが、冷たい「クール」ではなくて「イカシタ」意味での「クール」が相応しいように思います。

彼女は1927年生まれですから、この頃27歳です。当時で言えば適齢期を若干過ぎたもののトウがたつ前で、オバハン
の貫禄ボーカルとは違う微妙なニュアンスを伝えています。この辺の微妙さが聴く方としては堪らんのでしょうね。一時期
のジャズ喫茶で人気盤だったことは当然の帰結だったと言えます。

当の本人が意識的にしていたとは思えないのですが、ノリノリにまでは至らない軽妙なスイング感と知性を感じさせるよう
なアプローチをして、「クール」と言わしめたボーカルを披露しています。男性だけではなく、女性をも上手に惹き付けるボ
ーカルではないでしょうか。

バックを務めるのはコンボ・スタイルのメンバーですが、中でも興味を引くのはハービー・マンのフルートと主にB面に参加
しているJ&Kです。何故だかよく分かりませんが、ハービー・マンは案外ボーカルのバッキングに付き合っています。サ
ラ・ヴォーンの有名なアルバムにも参加してとぼけたフルートを奏していましたし、このアルバムでも結果として、字義どお
りのクール一辺倒に陥らないスパイス的な役割を無意識で果たしたようにも思えます。J&Kはお馴染みのダブル・トロン
ボーンで、ここでも技術に裏づけされた快調なソロを聴かせます。彼等は実にやっぱり上手いですね。

「クール」という言葉で括られたオカゲか、クリスには色気も何もなくて突き放したようなボーカルだというのが定説になっ
ています。「それがまたいいんだ」と定説に反論するが如きヒネクレオヤジもいます。結局のところ、どうなんでしょうね?

「クール」という言葉から、無味乾燥とか冷たいとか色気とは無縁のイメージを抱くのは、ちょいと早計のようです。確かに
滲むようなムンムンの色気があるわけではありません。ビールで例えればいわゆる辛口とされるドライ・ビールみたいなも
ので、コクや濃度を楽しむべきエビス型のビールではないといったところでしょうか。本来のビールで言えば、エビス型が
正道ですが、最近はドライ・ビールを好む御仁が増えているそうです。ならば、ボーカルのドライ・ビール型であるクリス・コ
ナーも人を惹き付ける魅力が横溢していることには間違いなさそうですね。「クール」という言葉に惑わされないようにした
いものでした。

まあ、色っぽいだけで、あるいはルックスや仕草だけで、歌の情感など全く無いに等しいようなインチキ「美人歌手」が流
行るご時世においては、クリスの歌唱は巷間言われる色気不足を補って余りある素晴らしいものだと結んでおきましょう。

ジャズレコード評文集TOPに戻る




クリフ(クリフォード)・ジョーダン(CLIFFORD JORDAN)、ジョン・ギルモ
ア(JOHN GILMORE)
「ブローイング・イン・フロム・シカゴ」(BLOWING IN FROM CHICAGO)
です。BLUENOTEの80年代におけるマイケル・カスクーナによる復刻
クリフ(クリフォード)・ジョーダン(CLIFFORD JORDAN)、ジョン・ギルモア
(JOHN GILMORE)の「ブローイング・イン・フロム・シカゴ」(BLOWING IN 
FROM CHICAGO)です。
BLUENOTEの80年代におけるマイケル・カスクーナによる復刻版になりま
す。いわゆる高音質復刻の一つだと思われます。
レコード番号はBN−28977、オリジナルはBN−1549です。
パーソネルは、テナーサックスにクリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア、ピアノにホレス・シルヴァー、ベースにカーリ
ー・ラッセル、ドラムスにアート・ブレイキーという2管のクインテット構成で、リズムセクションは正にブルーノート・ハウス・
メンバーといったところでしょう。かのバードランドにおけるセクションそのままです。

このレコードは1957年にオリジナルが吹き込まれたもので、ジョニー・グリフィンの後にブルーノートがプッシュしたテナ
ー・マンによる演奏です。

ちなみにジョーダンやギルモアは、グリフィンやリチャード・デイヴィスやジョン・ジェンキンス(北朝鮮で話題だったジェンキ
ンスさんではありません、アルティストです)らと同窓だそうで、生粋シカゴニアンのNYデビュー作に当たります。グリフィ
ンの恩恵を受けていたことは間違いありません。

収録曲は、A面に「Status Quo」、「Bo-Till」、「Blue Lights」の3曲、B面に「Billie' Bounce」、「Evil Eye」、「Everywhere」
の3曲の計6曲で、全編に渡って若々しいシカゴニアンによる掛け合いを楽しめます。

聴いてて、どっちがどっちかよく分からない感じですが、荒削りでハードな方がクリフで、スムーズな感じがギルモアだそ
うです。分かったような分からない説明でスンマヘン。

ジャケットで見ると、奥のメガネをかけたのがクリフで、手前のイカしたシャツを着たのがギルモアですね。クリフはどう見
てもアゴの発達したアントニオ・猪木かアゴ&キンゾー、あるいは吉本新喜劇の辻本風ですから、異相と言えなくもありま
せん。こういうアゴで吹かれたら、サックスも堪ったもんじゃありません。ゴリゴリの音、当たり前であります。

タイトルからして「シカゴ出身の吹きまくり」になりますから、テナー・バトルに分類して間違いなさそうですけど、同窓生な
んだから、そこはバトルとは言え「なかよし俺らたち」の雰囲気も残していて好感が持てます。

ところで、クリフはその後もそこそこの活躍が伝えられ、70年代以降はストラタ・イーストなんぞに話題作を吹き込んでい
ましたが、ギルモアは何とサン・ラ・アーケストラに参加してしまいました。アーケストラではバンマスみたいな格付けだっ
たそうですが、サン・ラも死んじまった今、一体どうしているのでしょう…。リーダー作はクリフと分けたこれだけみたいで
す。

ついでながら、クリフ・ジョーダンは、本来ならクリフォード・ジョーダンのはずですが、大体はクリフで登場しています。か
のクリフォード・ブラウンに遠慮したのでしょうか。真相をご存知の方は質問欄にてお知らせください。余計なことですんま
へん、どうぞお気になさらずに。

ジャズレコード評文集TOPに戻る




グレン・ミラー・オーケストラ(GLENN MILLER ORCHESTRA)
「プレイズ・セレクション」(PLAYS SELECTIONS FROM "THE
GLENN MILLER STORY")
グレン・ミラー・オーケストラ(GLENN MILLER ORCHESTRA)の「プレイズ・セレ
クション」(PLAYS SELECTIONS FROM "THE GLENN MILLER STORY")で
す。
RCAビクターの、1960年当時のオリジナル盤かと思われます。 
このレコードは、有名な映画「グレン・ミラー物語」で採り上げられた曲を、改めてオリジナル・グレン・ミラー・オーケストラ
の演奏を集めて編集したしたもので、御大のグレン・ミラーは既に故人となっていますが、映画のヒットに肖ってRCAがリ
リースしたものです。

グレン・ミラー自身は1944年に英仏海峡上で行方不明になり、そのまま帰らぬ人となりましたが、戦後に公開された
「グレン・ミラー物語」はヒット作となりました。

そういうわけで、グレン・ミラー・オーケストラとしても、よく知られた名曲ばかりを集めたオムニバス的なレコードですが、現
在リリースされているグレン・ミラーのCDなどはオムニバスでしかないですから、当時の熱気が伝わる盤は案外貴重か
もしれません。

 元々の録音年代は1939年から1942年頃に集中しており、兵役に取られるまでのグレン・ミラーとして最盛期の録音
を集めたことになります。

収録曲には、「MONNKIGHT SERENADE」、「IN THE MOOD」、「TUXEDO JUNCTION」、「KALAMAZOO」などが並び、懐
かしい演奏を堪能できます。

ジャズレコード評文集TOPに戻る




ワンストップサービス|ホームページ作成|ネットショップ作成|オークションストアネットショップ
会社概要サイトマップお問合せ(メール)お問合せ(FAX)
中小企業のPRのお悩みは、よろず相談 承ります
 
 株式会社 青写真
〒603-8375 京都市北区衣笠天神森町22  Tel.075-334-5539(代) Fax.075-334-5509
Copyright(C) 2003-2009 Blue-print Inc. All Rights Reserved.