のとnoノート - JAZZ(ジャズ)レコード評 -
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カウント・ベイシー、トニー・ベネット(COUNT BASIE, TONY
BENNETT)
「ベイシー/ベネット」(BASIE/BENNETT)
カウント・ベイシー、トニー・ベネット(COUNT BASIE, TONY BENNETT)の「ベイ
シー/ベネット」(BASIE/BENNETT)です。
ROULETTEのオリジナル盤、モノラル仕様になります。
レコード番号はR25072。
このレコードは、1958年にROULETTEからリリースされたもので、それこそアメリカを代表する歌い手であるトニー・ベ
ネットがカウント・ベイシー楽団と共演した注目盤です。録音年には1958年と1959年の2説がありますが、レーベルに
「1958」の記載がありますから1958年が正しいんだと思います。

サブ・タイトルは「ベイシーとオーケストラがスイングし、ベネットが歌う」になり、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な韻でも踏
んでるんでしょうか。そのまんまの表現ですけど、正にその通りのフレーズで笑っちゃいます。

パーソネルは、ピアノにカウント・ベイシー、ラルフ・シャロン、トランペットにスヌーキー・ヤング、サド・ジョーンズ、ウェンデ
ル・カリー、ジョー・ニューマン、トロンボーンにアル・グレイ、ヘンリー・コーカー、ベニー・パウエル、サックス陣にマーシャ
ル・ロイヤル、フランク・ウェス、フランク・フォスター、ビリー・ミッチェル、チャーリー・フォークス、ギターにフレディ・グリー
ン、ベースにエディ・ジョーンズ、ドラムスにソニー・ペイン、そしてボーカルにトニー・ベネットというメンバーです。

収録曲は、A面に「Life Is A Song」、「Plenty Of Money」、「Jeepers Creepers」、「Are You Havin' Any Fun」、
「Anything Goes」、「Strike Up The Band」の6曲、B面に「Chicago」、「I've Grown Accustomed To Her Face」、「Poor
Little Rich Girl」、「Growing Pains」、「I Guess I'll Have To Change My Plans」の5曲、計11曲になります。

A面の1曲目は「Life Is A Song」で、のっけからの溌剌たるアンサンブルから、ややしゃがれ気味のトニーの声がイカシて
ます。「ライッフ・イズア・ソング」てな歌唱に寄り添うグリーンのギターが堪りませんね。

2曲目は「Plenty Of Money」でして、「底抜けにハッピーでやんす」てなノリで最後まで一気です。そりゃあ、彼女に沢山
のお金がついてくりゃハッピーでやんすね。トニーの器楽風歌唱が聴かせます。ソロは多分フランク・フォスターでしょう、
ちょいとフガフガなのが笑えます。

3曲目が「Jeepers Creepers」。ベイシーのポツポツ・ソロが泣かせます。数多のボーカリストが歌っていますので、殊更ト
ニーがどうのこうのというわけにはいきませんが、元々はサッチモが歌うべき曲なんだそうで、それを幾分思い出させるよ
うな歌唱にはなってるようです。

4曲目は「Are You Havin' Any Fun」。「お楽しみはある?」てなノリなんでしょうか? 途中の「ナッツ!」という叫びがそ
れもんを意識させますね。「ピーナッツ」はロッキードの件もあって、大金を想像させる隠語のようですけど、ここでの「ナッ
ツ」は何なんでしょう。ボーカルとアンサンブルのシンクロがシンクロナイズド・スイミングに劣らず魅せてくれますよ。

5曲目は、ご存知コール・ポーターの名曲「Anything Goes」です。私はこの曲が好きでして、「エ〜ニシング・ゴーズ」のフ
レーズはヨガレます。案外に素直な歌唱で始まったと思いきや、途中の「ダーッダ、ダディ、ダディー」がふざけてます。け
ど、やっぱり上手いもんでした。

6曲目が「Strike Up The Band」、ガーシュインの曲です。またもやフランク・フォスターらしきソロが挟まれて、「Hey Mr.
Leader, Hey Mr.Leader, Strike Up The Band」で終わります。カッコいいとはこのことでしょうね、片面の最後に最適で
す。

B面の1曲目が「Chicago」、これもご存知の曲でシナトラの歌唱は一際有名ですね。ベイシーがこの曲を演じたのはあま
り記憶にはありません。あまりにもミーハーすぎて嫌ってたんでしょうか?「シカゴ」と言えば、ギャングの街みたいなイメ
ージを安易にも抱いてしまいます。そういえば「スティング」の舞台もシカゴでしたね。良かったなあ、あの映画。学生時代
に中野で観たことを思い出しました。

2曲目は「I've Grown Accustomed To Her Face」です。「彼女の顔に慣れちゃった」てな意味ですか。まあ、美人も三日
で飽きるそうですから、世の東西を問わずに同じような印象なんでしょう。でもブサ○クよりも美形の方がいいですよねっ、
ノータリンでは困りますが…、失礼。

3曲目は「Poor Little Rich Girl」、そのまま訳せば「かわいそうな小さな金持ちの少女」になりますが、何のことか全然分
かりません。正味、金だけあっても幸せじゃないってなもんですか? 無いよりは有った方がいいに決まっているんですけ
ど、愛のない生活はかわいそうですから、そういうことですか。ウチには金は無いけど幸せですから、きっと優ってます
ね、ヘヘヘッ。ここでのバンド・パワーは底抜けにイッテます。サド・ジョーンズと思しきトランペットがブイブイ言わせてます
から、お分かりですね。

4曲目が「Growing Pains」。「産みの苦しみ」みたいな意味にも取れますが、ホントにそうなんでしょうか? 産むときは皆
さん苦しんで往生されるようですけど、ちょいと違う意味なんじゃないの。

最後の曲が「I Guess I'll Have To Change My Plans」で、「計画を変えねばならんでしょう」ということで、要はアタックの
仕方を変えようかみたいな意味になりますね。彼女に中々真意が伝わらないから、攻略方法を再考します的なフレーズ
です。ついでにベースとギターがフィーチュアされてますから、確かにちょいと演出を変えたことには間違いありません。

この当時、ベイシーは54歳、トニー・ベネットは32歳、既にベイシー・バンドはアメリカ最高のビッグバンドの一つとして名
声を博しており、ニュー・ベイシーとしての活躍も大したものでしたが、トニーはこれからという年代になりますか。確かデビ
ューが1950年ですから、後の風格はこの後に培われたものですね。母国アメリカではトニーは名士の最たるものです。

さて、実はこのアルバム中でベイシーがピアノを奏しているのは1曲目の「Life Is A Song」と3曲目の「Jeepers
Creepers」の2曲で、その他のピアノ担当はラルフ・シャロン、すなわちトニー・ベネットのお抱えピアニストとでも言うべき
人が奏しています。もちろん、すべてのコンダクトはベイシーです。トニーにとってはラルフ・シャロンのピアノの方が歌い易
かったのかもしれませんが、ベイシーのピアノの方がスインギーなノリでは優っているようにも聴こえます。ベイシーは歌
伴を好まなかったという伝説もありますけど、歌手と共演した殆どは名盤ですよね。シナトラ然り、サラ然り。

ベイシーの奏しないその他では、ソニー・ペインが叩きまくる「Strike Up The Band」やフレディ・グリーンの伴奏による
「Growing Pains」なんかが聴きものです。

しかし、トニー・ベネットは相変わらず元気ですね、今年で82歳だというのに、一昨年だったかに「DUETS」とかいうCDを
リリースして、未だにスーパー元気なところを聴かせています。最初に聴いたときには「歳とったなあ」というのが第一印
象でしたけど、元気なのには脱帽ですね。ポール・マッカートニーでは太刀打ちできていなかったような…。決して暗くは
ならず、それなりのアドリブを効かせた歌唱で、根っこのしっかりした声に驚きます。

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カウント・ベイシー、フランク・シナトラ(COUNT BASIE, FRANK
SINATRA)
「イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スィング」(IT MIGHT AS WELL BE
SWING)
カウント・ベイシー、フランク・シナトラ(COUNT BASIE, FRANK SINATRA)の「イ
ット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スィング」(IT MIGHT AS WELL BE SWING)で
す。
REPRISEのオリジナル盤、ステレオ録音になります。
タイトル通り、カウント・ベイシー・オーケストラをバックにシナトラが歌ったアルバムで、主なパーソネルは、ピアノにカウン
ト・ベイシー、ギターにフレディ・グリーン、ベースにジョージ・カトレット、ドラムスにソニー・ペイン、トランペットにハリー・エ
ディソン、ジョージ・コーン、アル・アーロンズ、ウォーレス・ダベンポート、ドン・レイダー、アル・ポーキノ、サックスにフラン
ク・フォスター、チャールズ・フォークス、マーシャル・ロイヤル、フランク・ウェス、エリク・ディクソン、トロンボーンにヘンリ
ー・コーカー、グローヴァー・ミッチェル、ビル・ヒューズ、ヘンダーソン・チェンバース、ケニー・シュロイヤーとなっており、そ
の他数名によるストリングスが引っ付いています。

このレコードは1964年に録音され、結構な強力メンバーによるベイシー楽団とシナトラとの共演盤、REPRISE第2作に
なります。シナトラのセルフ・レーベルだったREPRISEには3枚の共演盤があり、もう二つは「SINATRA-BASIE」と
「SINATRA AT THE SANDS」です。

アレンジと指揮をクインシー・ジョーンズが担当しており、彼ならではの洒落つつ迫力のある音楽をもたらしています。いつ
の時代でもクインシーは中々のやり手で、楽しませてくれます。金儲けに専念しているところもありますから、一部からは
バカにされていますが…。

REPRISEは、CAPITOLとの契約が終了間際になったシナトラによって1961年にパーソナルあるいはセルフ・レーベル
として設立されています。当時の所属アーティストには、娘のナンシー・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィ
ス・Jr.などがいます。1963年にはワーナー・ブラザーズ・レコードの子会社になり、1967年には親会社ごと売却され
て、セブンアーツの傘下になったのですが、不思議とREPRISEのレーベルはそのまま残っています。今もロックのアル
バムを中心にリリースしており、ワーナー・ブラザーズ・レコードのサブ・レーベルとして健在のようです。

閑話休題。何故にシナトラがベイシーとの共演を好んだのかは分かりませんが、相性はバッチリのようです。どちらかと言
うとカンサス仕込みの田舎風スウィングが身上のベイシーと白人・おしゃれ系スウィングのシナトラとの邂逅は、結果とし
て非常に洒落たスウィング形態を生み出したようですな。

収録曲は、A面に「Fly Me To The Moon」、「I Wish You Love」、「I Believe In You」、「More」、「I Can't Stop Loving
You」、B面に「Hello, Dolly!」、「I Wanna Be Around」、「The Best Is Yet To Come」、「The Good Life」、「Wives And
Lovers」の5曲、計10曲です。それぞれ3分くらいのナンバーが続きますので、両面で30分未満という短めのレコードで
すが、物足りなさは感じません。あっという間に終わるものの、満足感は一入かなと思います。なんせ両者ともウマイもん
ねえ。

A面のトップが「Fly Me To The Moon」、B面のトップが「Hello, Dolly!」、多分に意図的なんですが、この構成は見事で
す。CDの連続再生では知り得ないゾクゾク感がここにはあります。

初っ端の「Fly Me To The Moon」は、正しくシナトラお誂え向きの曲。ジメジメ感は全くなく、変な情感も加えずにストレー
トに歌っているんですが、それこそがこの曲の真髄かもしれません。文字通り月まで吹っ飛んで行きそうです。

片やB面トップの「Hello, Dolly!」はお馴染みのミュージカル・ナンバーで、サッチモによる名唱が有名ですが、ここでシナト
ラは殊更ハッピーに歌っており、ちょいとサッチモを意識したようなフレーズも交えています。元々明るい曲ですから、こう
いう解釈が妥当なのかもしれません。

ところで、ジャケット表面にはシナトラとベイシーの、ちょいとピンボケで切り抜きミエミエの顔写真が載っていますが、シナ
トラの下にある「FRANK」は分かるとしても、ベイシーの下に書かれている「SPLANK」は何なんでしょうね? 一応英和辞
典や英辞郎なんかも調べてみましたが、こんな単語は出てきません。「SPLANG」なら「辛辣な言葉」という意味で、
「PLANK」ならアホ、バカ、マヌケみたいな意味なんですが…。一体ナニを意味しているのか、ご存知の方がいらっしゃっ
たら是非教えてください。

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)、ズート・シムズ(ZOOT SIMS)
「ベイシー&ズート」(BASIE & ZOOT)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)とズート・シムズ(ZOOT SIMS)による「ベイ
シー&ズート」(BASIE & ZOOT)です。
PABLO原盤のRCAによるリイシュー盤かと思われます。
1975年当時にPABLOがどういう状況にあったのか知る術がありませんので、一応リイシュー盤としておきます。ただ、
録音場所のクレジットがニューヨークのRCAスタジオですので、もしかしたらオリジナルかもしれません。申し訳ございま
せんが私にはよく分かりません。

パーソネルは、ピアノとオルガンにカウント・ベイシー、テナー・サックスにズート・シムズ、ベースにジョン・ハード、ドラムス
にルイ・ベルソンという、正にベテラン名手達の演奏です。

このレコードは1975年に録音されたもので、プロデューサーのノーマン・グランツはその交際範囲の広さを武器に、いわ
ゆるビッグ・ネームを交配して次々にアルバムをリリースしていました。このレコードもそういう1枚ではありますが、放って
おけばどこまで行くか分からないズートをベイシーが上手く牽制しつつ盛り上げているようで、上手くまとまった盤かと思い
ます。

最後の収録曲(「I Surrender, Dear」)で、ベイシーはオルガンを弾いています。これがまた何ともそれらしい趣きで、ジャ
ズ・クラブにでも居るような雰囲気です。古きジャズを彷彿とさせる演奏ですが、オルガンの響きとズートのテナーとの絡
み合いが堪りません。

他では、キング・コールで有名な「It's Only A Paper Moon」でのベイシーの軽快なピアノや、ベイシーとズートが共作した
「Blues For Nat Cole」(そのナット・キング・コールに捧げた曲です)なんかが聴きものです。このレコードには両者の共作
が3曲収録されていますが、その出来はどれもゆったりとして暖かいものを感じさせてくれます。

いずれにせよ、メンバーにはまだまだ余裕が感じられ、それ故にいろんな表情を見せてくれる好盤かと思います。ジャケ
ット写真の意味するところを今一つ掴みかねるところですが、結構スモーカーだったんですな、ズートは…。

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)
「カウント・ベイシー・クラシックス」(COOUNT BASIE CLASSICS)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)の「カウント・ベイシー・クラシックス」
(COOUNT BASIE CLASSICS)です。
COLUMBIAのオリジナル盤、モノラルになります。
レコード番号はCL−754。
このレコードは、1955年にCOLUMBIAからリリースされたものですが、それ以前の録音を集めて構成されており一種
のオムニバスにあたります。とはいえ、演奏の優秀さからCOLUMBIAのオリジナル盤と見做しても問題はないかなと思
います。1940年の3月から1946年の2月までの間で録音されたものを集めてあります。

パーソネルは、録音年月が多岐に渡っていますので、それぞれの曲で異なるパーソネルと言えなくもありません。主だっ
たところだけ挙げておけば、ピアノにカウント・ベイシー、トランペットにハリー・エディソン、ジョー・ニューマン、バック・クレ
イトン、アル・キリアン、エド・ルイス、エメット・ベリー、トロンボーンにディッキー・ウェルズ、テッド・ドネリー、エリ・ロビンソ
ン、ルイ・テイラー、ロバート・スコット、ジョージ・マシューズ、ジェームズ・ジョンソン、ダン・ミラー、ヴィック・ディッケンソン
など、サックスにジェームズ・パウエル、ルディ・ラザフォード、バディ・テイト、アール・ウォーレン、エリ・ロビンソン、ジャッ
ク・ワシントン、ドン・バイアス、イリノイ・ジャケー、レスター・ヤングなど    ギターにフレディ・グリーン、ベースにロドニ
ー・リチャードソン、ウォルター・ペイジ、ドラムスにシャドウ・ウィルソン、ジョー・ジョーンズ、ボーカルにジミー・ラッシング、
というようなメンバーです。

収録曲は、A面に「Red Bank Boogie」、「It's Sand, Man!」、「Jimmy's Blues」、「The Mad Boogie」、「Goin' To Chicago
Blues」、「Avenue C」の6曲、B面に「The King」、「Taps Miller」、「Rusty Dusty Blues」、「Rambo」、「You Can't Run
Around」、「One O'clock Jump」の6曲、計12曲になります。

A面の1曲目は「Red Bank Boogie」で、ブルースではなくてブギーですね。冒頭から元気バリバリ・ウキウキの演奏です。
40年代といえば、ベイシーも若かったんですね、40代ですよ。ベイシーのピアノに呼応するようにサックスなどのアンサ
ンブルが粋に迫ります。大体ベイシーの故郷がレッド・バンクですから、彼にして思いの募る曲なんでしょう。翻訳ソフトに
よりますと「赤い銀行は浮かれます」だそうで…何のこっちゃ。

2曲目は「It's Sand, Man!」でして、何やら意味不明なタイトルではあります。サンドイッチ・マンとは違うようですね。これ
はサンド(砂)です、ってなもんですけど? 砂場遊びは幼稚園くらいの頃によくやりましたね。大体がトンネルを作ったり
掘ることが多かったんですけど、たまに何やら軟らかい固まりみたいな砂が出てきて、結局それは猫あたりのウンチだっ
たんでしょうね、当時は知る由もありませんでしたけれど…。これまたベイシーやグリーンとアンサンブルの対比が見事
で、浮かれちゃいますよ〜。

3曲目が「Jimmy's Blues」。ジミー・ラッシングの歌が入っています。まあ、タイトルからして彼が歌っているだろうことは容
易に想像つきまして、正にその通りの名演でした。中年のオッサン歌唱ですけど、レトロな雰囲気あるのが彼の魅力では
あります。あのゴツそうな顔付きからは想像できない中高域の張りで、案外に優しいオッサンだったんでしょうか。

4曲目は「The Mad Boogie」。マッドなブギにしてはベイシーのソロが結構目立っていて、別に殊更マッドではないです
ね。しかしマッド人が浮かれるだけでなくて常人も浮かれますから、ベイシーの胆は如何ほどかと嬉しい曲です。ベイシー
とグリーンが鮮明に聴こえて、相変わらずやってます。

5曲目は「Goin' To Chicago Blues」で、またもやジミー・ラッシングがしみじみと歌います。でもシカゴのブルースですか
ら、それもんです。シカゴへ行ってからのブルースだそうですから、シカゴに着いたらギャングとブルースだらけで驚いたみ
たいなノリでしょうか? シカゴでブルースといえば、ついつい憂歌団の「シカゴ・バウンド」と比べてしまいますが、だいぶ
違いますね。冒頭のトランペットは誰か不明です。

6曲目が「Avenue C」。もう元気がいいんだから、ベイシー・バンドさん。サックスとトランペットのソロは私では判別不能で
すが、バリバリのうちに終わってしまいます。「C通り」ってカウントのCかシカゴのCなのか、悩みますね。案外フツーに
「中央通り」だったりして、興味は尽きません。作者がバック・クレイトンなので、自分のCでしょうかね。真相は不明です。

B面の1曲目が「The King」、王様ですね。一体ナニの王様かは知りませんが、相変わらずの元気一杯プレイです。ベイ
シーやグリーンらとの対比はこの頃の方が明快なようで、割り切りが明解で楽しめます? 途中のサックスソロが誰かは
またまた不明ですけど、一応イリノイ・ジャケーにでもしておきましょうか…。

2曲目は「Taps Miller」です。「タップの粉屋」とも訳せそうですけど、これは「ミラーのタップ」かもしれません。「Tap」じゃな
くて「Taps」ですから、そうなると「消灯ラッパ」という意味もあるようです。いずれにしてもよく分かりませんが。少々ホンワ
カしたテーマの後に続くソロたちは活気ムンムンで、ホーンの輝きを前面に打ち出しています。消灯ラッパだとすれば威
勢がよすぎますが、このくらいでないと受けなかったんでしょう。

3曲目は「Rusty Dusty Blues」です。錆びた埃っぽいブルースでして、ジミー・ラッシングが歌います。レトロ気分が横溢し
た、古い映画でも見ているような気分にさせてくれます。聴きようによっては古の演歌みたいに聴こえなくもありません。

4曲目が「Rambo」で、そのまんま「ランボー」ですが、かのスタローンの映画とは違うようです。単純に乱暴なアレンジで
はなくて、中々に計算された粋なアレンジでした。それぞれのソロは短いものの丹精込めて端整にまとめています。ザッ
ツ・エンターテインメントとはこのことですね。

5曲目は「You Can't Run Around」、ここでもジミー・ラッシングの声が聴けます。日本では彼のラスト・レコーディングのみ
有名ですが、若かりし頃の歌声も一聴の価値は十分にありますね。確かにこのテンポでは走り回ることはできません。

最後の曲が「One O'clock Jump」で、お馴染みのベイシー・テーマ曲です。この当時のは晩年のショート・ヴァージョン・テ
ーマでなくて割りと長めに聴けますから、通には嬉しい選曲ですね。

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)
「ダンス・アロング・ウィズ・ベイシー」(DANCE ALONG WITH BASIE)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)の「ダンス・アロング・ウィズ・ベイシー」
(DANCE ALONG WITH BASIE)です。
ROULETTEのオリジナル盤、モノラル録音になります。
カウント・ベイシーには「シング・アロング・ウィズ・ベイシー」というLH&Rと組んだ有名盤があり、このレコードはそれを意
識して作られたものかと思います。「歌う」のが「踊る」に変わったわけですが、別にこれを聴いて踊らにゃならん、というも
のではなく、快調な演奏をお楽しみいただけるかと思います。

主なパーソネルは、ピアノにカウント・ベイシー、ギターにフレディ・グリーン、ベースにエディ・ジョーンズ、ドラムスにソニ
ー・ペイン、トランペットにサド・ジョーンズ、ジョー・ニューマン、スヌーキー・ヤング等、サックスにフランク・フォスター、マー
シャル・ロイヤル、フランク・ウェス等、トロンボーンにヘンリー・コーカー等となっています。

このレコードは1959年に録音された、50年代後半におけるベイシー楽団の強力メンバーによる演奏で、極上のビッグ・
バンド・サウンドを堪能できます。

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)
「ディス・タイム・バイ・ベイシー!」(THIS TIME BY BASIE!)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)の「ディス・タイム・バイ・ベイシー!」
(THIS TIME BY BASIE!)です。
REPRISEのオリジナル盤、モノラル録音になります。
主なパーソネルは、ピアノにカウント・ベイシー、ギターにフレディ・グリーン、ベースにバディ・カトレット、ドラムスにソニー・
ペイン、トランペットにソニー・コーン、サド・ジョーンズ等、サックスにフランク・フォスター、エリック・ディクソン、マーシャル・
ロイヤル、フランク・ウェス等、トロンボーンにヘンリー・コーカー、ベニー・パウエル等となっています。

このレコードは1963年に録音されたもので、いわゆるポピュラーな楽曲をビッグ・バンド用にアレンジし、大変立派なジャ
ズへと昇華させた好例です。アレンジは今も華々しく活躍を続けるクインシー・ジョーンズが担当しています。

「I Can't Stop Loving You」や「Walk,Don't Run」など、単純明快な中にもスインギーなジャズを堪能でき、ベイシーを知ら
ない方にも好適なレコードでしょう。強力メンバーによるアンサンブルの妙を楽しむにももってこいかと思います。

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)
「プライム・タイム」(PRIME TIME)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)の「プライム・タイム」(PRIME TIME)です。
PABLOのオリジナル盤のようにも思えますが、RCAの表記がありますからリ
イシューかもしれません。
レコード番号は2310−797で、オリジナルの番号を踏襲しているようです。
このレコードは1977年にLAで録音されたもので、かなりの好調を維持していた頃のベイシー・ミュージックを楽しめる1
枚です。

カウント・ベイシー・オーケストラは1978年に来日しており、そのときのライブ盤も日本企画でPABLOからリリースされて
いますが、それとパーソネルは大体同じで来日時の熱気を髣髴とさせる演奏です。

パーソネルは、ピアノに御大のベイシー、トランペットにソニー・コーン、ピート・ミンガーほか、トロンボーンにアル・グレイ、
カーティス・フラー、ビル・ヒューズほか、サックスにジミー・フォレスト、エリック・ディクソン、ダニー・ターナーほか、ベース
にジョン・デューク、ギターにフレディ・グリーン、ドラムスにブッチ・マイルスといったメンバーで、カーティス・フラーとジミ
ー・フォレストの参加が珍しいところです。来日時には、デニス・ウィルソンとケニー・ヒングが彼らに代わって参加していま
した。

録音は少々ベースが強調された感じですが、いわゆるHI−FI録音には違いなく、レンジの広そうな質感を感じさせてくれ
ます。

アレンジの担当がサム・ネスティコですので、ダイナミックで躍動的なベイシー・サウンドを堪能でき、ある意味では大変
好ましいまとまりかと思います。

1977年にこのアルバムをリリースし、1978年に来日し、1979年にはモントルーにおけるライブ盤が一世を風靡したベ
イシー・オーケストラです。したがって70年代後半におけるベイシーの足跡を辿るには、メンバー交代のあった77年にお
けるこのアルバムは欠くことのできないものかもしれません

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)
「ベイシー・プレイズ・ヘフティ」(BASIE PLAYS HEFTI)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)の「ベイシー・プレイズ・ヘフティ」(BASIE 
PLAYS HEFTI)です。
ROULETTEのオリジナル盤、モノラル仕様です。
レコード番号は、R-52011。
このレコードは1958年にニューヨークで録音され、ROULETTEからリリースされたもので、何といってもニール・ヘフティ
のアレンジが冴え渡る名盤ではないでしょうか。時代的にはモードが持て囃されつつあり、フリーが登場した頃ですが、
オールド・ベイシー・バンドをかくもモダンに成形し直したのは、ひとえにニール・ヘフティのお陰でしょう。

このアルバムの直前に、有名な「アトミック・ベイシー」がリリースされています。結構な有名曲で彩った「アトミック」に対し
て、本アルバムは全曲がニール・ヘフティの作曲と編曲で占められており、こっちの方がアレンジの意図を直截的に体験
できますね。どちらも名盤に違いありません。

パーソネルは、ピアノにカウント・ベイシー、トランペットにスヌーキー・ヤング、サッド・ジョーンズ、ウェンデル・カリー、ジョ
ー・ニューマン、トロンボーンにアル・グレイ、ヘンリー・コーカー、ベニー・パウエル、テナーサックスにフランク・フォスター、
ビリー・ミッチェル、アルトサックスにフランク・ウェス、マーシャル・ロイヤル、バリトンサックスにチャーリー・フォークス、ギ
ターにフレディ・グリーン、ベースにエディ・ジョーンズ、ドラムスにソニー・ペインといった面々です。

収録曲は、A面に「Has Anyone Here Seen Basie」、「Cute」、「Pensive Miss」、「Sloo-Foot」、「It's Awf'ly Nice To Be
With You」の5曲、B面に「Scoot」、「A Little Tempo, Please」、「Late Date」、「Count Down」、「Bag-A' Bones」、
「Pony Tail」の6曲、計11曲です。

A面の1曲目「Has Anyone Here Seen Basie」から普通じゃない入り方です。高音のユニゾンで、ちょっと引いてしまいま
すが、活気があってよろしいね。「誰でもベイシーに会いました?」ってな訳ですけど、アルバムを聴いてるんだから、大体
はベイシーに会ってるんじゃないのかと、ツッコミたくもなります。ホントに会ったわけじゃないですけど、ベイシーが亡くな
られる間際の日本公演には行きましたがな、私。でも、こういうアレンジは後年まで続きますから、ヘフティ恐るべしです
かね。

2曲目は「Cute」です。キュートと言われると、ついついJCやJKを想像してしまいますね? セーラー服はキュートですよ
ね、誰が見ても。最近はブレザーとかネクタイが増えて、セーラー服のお嬢さんは減っているのが残念です。あのね、ブ
ルセラ・マニアじゃございませんので、誤解のなきよう…。フランク・ウェスのフルートが、ああ、ヨガラセます。ソニー・ペイ
ンはブラシを使ってまっせ、粋ですねえ。キュートゆえにスティックではキツいんでしょうか。

3曲目が「Pensive Miss」、翻訳ソフトですと「考え込んでいる失敗」です。失敗して考え込んでいる方が普通なんですが、
考え込んでから失敗したようで、ちょいと鬱っぽい曲でした。失敗して陽気だったら、ほとんどアホですからね(ホントは失
敗じゃなくて、哀愁のお嬢さんだと思いますけど…)。最後の方で一瞬けたたましくなりますが、ベイシーゆえのご愛嬌で
すか…。ただ、この曲はこのアルバムの白眉かも。アトミックでの「リル・ダーリン」に優るとも劣らぬ名曲・名演のような気
もしないではないという、優柔不断な意見を述べておきます。スヌーキー・ヤングのトランペットが泣かせますよ、浸るのも
また善し?

4曲目は「Sloo Foot」、曲名は何のことかよく分かりませんが、いい感じのテンポで進みます。ユニゾンとグリーンのギタ
ーが上手い対比で、アレンジがくすぐります。フレディ・グリーンのリズムが上手く聴こえれば、大体は好ましいオーディ
オ・システムじゃないでしょうかね。途中のペットはジョー・ニューマンでした。

5曲目は「It's Awf'ly Nice To Be With You」です。「あなたといられてとっても嬉しいわ」みたいな意味でしょうね。嬉しい
割りにはユックリめの演奏で、マーシャル・ロイヤルのサックスがムード盛々で、ユニゾンは結構強烈で、一体ナニが嬉し
いのか悩むところです。恋愛中なら、あなたといれて(いられて)嬉しいのは世の常ですから、要らぬ詮索は止めましょう。
劇的な変化が思わせぶりってか?

B面に移って1曲目が「Scoot」です。「走り出せ」ってな意味でしょうが、曲調は軍隊モドキではなくて何だかアニメでも観
ているような、陽気でリラックスした演奏でした。ScootしてるのがScooterですね、私もスクーターに乗ってます。ミュー
ト・トランペットとフランク・ウェスのフルートが絶妙のコンビを聴かせてくれます。

2曲目が「A Little Tempo, Please」、「少しのテンポ、お願い」では意味不明ですね。もうちょっとやってよ、てな具合です
か? それにしてもトロンボーンがヨガリ過ぎで、アル・グレイだそうです。

3曲目は「Late Date」で、翻訳ソフトでは「遅い日付」ですけど、実際は「遅めのデート」なんじゃないのか。何だか夕暮れ
時を連想させてシットリですぜ、旦那。ここでもフランク・ウェスのフルートが、うーん、スウィート! 強烈なパンチはないけ
れど、こんなのが乙女心には快感なんでしょうね、これしかないようなテンポで進みます。

4曲目は「Count Down」です。「秒読みしてちょ」ですけど、ホンマに秒読みしてまっせ、10から0まで。テナーはビリー・
ミッチェルとフランク・フォスターの掛け合いだそうで、ベイシー・スイングここにありっ!

5曲目が「Bag-A' Bones」、何のことかさっぱり分からない曲名です。俗語では「bag」は「女性自身」で、「bone」は「男性
自身」の意味もありますけど、良からぬことを連想しそうでイケナイ曲名ですね。またもやアル・グレイのトロンボーンがフェ
チしてます、ユニゾンとの絡みが何ともはや…。

最後の曲が「Pony Tail」です。ヘフティはポニーテールが好きなんでしょうか? ナニを隠そう私もポニーテールはメッチャ
好きです。かつてのロックンロールもしくはロカビリーな時代、ポニーテールのお嬢さんがサーキュラーなフレア・スカートを
穿いて踊っておられるのはソソリますね。気が付いたときには、そういう時代は過ぎ去っていたのが残念です。まあ、そう
いう時代風なカフェとかクラブに行けば、今でもオールディーズな気分は楽しめて、ポニーテールのお嬢さんも居られるよう
ですけど…。録音されたのが丁度その頃でしたから、中々に時代を読む目・耳があったということなんでしょう。

全体的に、ヘフティの作曲とアレンジが微妙に秀逸で、持っていて損のない好盤です。まだまだメジャーにはなっていな
かったフルートのソロを適宜に採り上げて、立派なソロ楽器まで育てた功労者かもしれませんね、ヘフティは。フランク・ウ
ェスがこのアルバムではやけに目立ってますよ、良かったね。

ところで、ジャケットの写真は「アトミック・ベイシー」の原爆写真とはうって変わったヒョウキン写真です。どこのチームかよ
く分からない野球のユニフォームを着て、ベイシーは三波春夫のごとく、あさっての方を見てニチャっと笑っています。何と
もあんまり気持ちよくはないショットですね。右側で口を大きく開けているのがニール・ヘフティだそうです。ヘフティの被っ
ている帽子は野球帽というよりは、小学校の運動会でよく見かける赤帽みたいで、笑かします

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カウント・ベイシー(COUNT BASIE)とランバート・ヘンドリックス・アン
ド・ロス(LH&R)
「シング・アロング・ウィズ・ベイシー」(SING ALONG WITH BASIE)
カウント・ベイシー(COUNT BASIE)とランバート・ヘンドリックス・アンド・ロス(L
H&R)の「シング・アロング・ウィズ・ベイシー」(SING ALONG WITH BASIE)で
す。
ROULETTEのオリジナル盤、ステレオ仕様になります。
レコード番号はSR−52018。
このレコードは1958年に録音されたもので、ランバート・ヘンドリックス・アンド・ロスとの共演盤になります。LH&Rは、
この前作である「SING A SONG OF BASIE」で、ベイシー楽団のソロ演奏に歌詞を付けて、楽器と同じようにボーカリーズ
するという信じられない快挙を成し遂げているのですが、それを聴いたベイシーが「何で俺が入っていないんだ」と言った
かどうかは定かではないものの、一緒にやる羽目になった企画盤とも異色盤とも言える逸品です。

パーソネルは、ランバート・ヘンドリックス・アンド・ロス(すなわち、デイブ・ランバート、ジョン・ヘンドリックス、アニー・ロス)
とジョー・ウィリアムズのボーカルをベイシー楽団がバッキングするという豪華なメンバーです。LH&Rはワールド・パシフ
ィックと契約していたみたいですね。

収録曲は、A面に「Junmpin' At The Woodside」、「Going To Chicago Blues」、「Tickle Toe」、「Let Me See」、「Every
Tub」の5曲、B面に「Shorty George」、「Rusty Dusty Blues」、「The King」、「Swingin' The Blues」、「Lil' Darlin'」の5
曲、計10曲です。

曲目はすべてベイシー・ナンバーで、「Going To Chicago Blues」、「Every Tub」、「Rusty Dusty Blues」の3曲にジョー・
ウィリアムズが参加しています。

まず、冒頭の「Jumpin' At The Woodside」で度肝を抜かれます。ラップのあんちゃんもビックリの急速調で、「ちゃんと発
音してるんかい?」と言いたくもなりますが、してるんですね、これが。特にジョン・ヘンドリックスの早口言葉には脱帽で
す。いや、凄い。曲の途中からアニー・ロスのボーカルになりますが、「That's It - That's It - That's It」と叫ぶ彼女の声
が極めて印象的です。

その他の曲も、テンポはそれぞれ違えど見事なボーカリーズで嬉しくなります。強いて言えば、「Jumpin' At The
Woodside」、「Tickle Toe」、「Every Tub」、「Swingin' The Blues」あたりが聴きものでしょうか。

実は、私が始めて聴いたベイシーのアルバムはこれでした。「I Gotta Go - I Wanna' Blow」と繰り返される冒頭の曲にノ
ックアウトされ、その後はLH&Rとベイシーのアルバムをそれとなく漁ることになりました。そのうちに、LH&Rは何だか
アホらしくなってきたのですが、ベイシーは生涯の友になったのでした。

と言って、LH&Rがつまらないわけではありませんので、誤解のなきよう。特にこのアルバムなんぞは、快適なスイング
が何であるか明解に答えてくれる名盤だと思います。ナニを隠そう私はこのLPを3枚ほど持っていたのでした。

ジャズを聴き出した頃は、どちらかというと田舎くさいベイシーよりも都会的なセンスに溢れたエリントンをヨガッテいたもの
でしたが、このアルバムに出会ってから以降はベイシーのスイング感に惹きつけられたものです。一関の○原さんじゃな
いですが、ベイシーは止められまへん。

大体アドリブをも含めてボーカリーズしてますから楽譜があるようなものなんですが、そう感じさせないのがスゴイんでしょ
う。後年にはマンハッタン・トランスファーが似たようなことをしますが、スイング感には違いがあって、ノリノリの好演はこ
のLPに軍配が上がりそうです。ところで、そのマントラにいくつか歌詞を提供していたのが件のジョン・ヘンドリックスでし
て、おとっつぁんは大したものであります。

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ガトー・バルビエリ(GATO BARBIERI)
「ルビー・ルビー」(RUBY,RUBY)
ガトー・バルビエリ(GATO BARBIERI)の「ルビー・ルビー」(RUBY,RUBY)で
す。
A&Mのオリジナル盤になりますが、ジャケット左下に切り込みのあるカット盤
です。
ガトー・バルビエリというと、南米のネコ怪人みたいなイメージで捕えられていますが、北米ではお目(お耳)にかかれない
節回しというかレトリックを持ったプレイヤーではあります。どことなく哀愁を感じさせる歪む寸前の音や演奏には、ある種
トリコになるかもしれません。

このレコードは1977年に録音されたもので、フュージョン系と言えなくもないですが、辛うじてジャズの範疇に入るべき代
物のようです。結構ノリノリの演奏です。

パーソネルは、テナー・サックスにガトー・バルビエリ、キーボードにエディ・マルチネス、ギターにデビッド・スピノザ、ジョ
ー・キャロ、ベースにゲイリー・キング、ドラムスにレニー・ホワイトといったところで、ゲストとして、リー・リトナー、スティー
ブ・ガッド、チャック・ドメニコ、ジョン・ファディス、ルー・ソロフ、トム・マローンなどの記載があります。プロデュースは、あの
ハーブ・アルパートが担当していますので、それっぽい演奏になります。

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